Knock our Heart -nockのひねくれブログ-

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プロスペクト理論から考えられる「後悔」について

人間は利益または損失を前にしたときどのように行動するのか。それについて説いているものの一つにKahneman と Tversky によるプロスペクト理論があります。彼らの理論は彼らが描いた「価値曲線」から見いだされます。

f:id:nockdance:20141026231014j:plainWikipediaから抜粋

これから言えることは主に3つ。

1つは、同じ変化量の価値の増加または減少でも、その価値の絶対値が大きいと、人が感受するその価値の変化は減少するということ。100円の物と200円の物では200円の物の方が断然価値があるように思えるが、10000円の物と10100円の物はどちらも同じ価値であると感じる。同じ100円の違いなのに前者の方が後者より、捉えられる価値の変化が顕著である。

2つは、原点は自分の現状が参照されるということ。同じ10000円をもらう事でも月収10万円の人と100万円の人では10000円の価値の大きさは前者の方が大きい。

3つは、同じ大きさの価値でも増加するのと減少するのとでは減少の方が感じる価値の変化は大きくなるということ。他人から10000円もらったが家に帰ってからその10000円を失くしたことに気付く。すると10000円をもらって失くしたのだからプラスマイナスゼロであるはずなのに、ひどく損した気分になる。10000円をもらった喜びよりも10000円を失くした悲しみの方が大きいと感じる。

 

これは確かに自分自身を見ても当てはまっているので面白いですね。価値は人によって異なるのはなんとなくわかっていたことですが、それを図にして可視化したところが面白いです。僕らって単純だなあって。

1つ目も2つ目もなるほど納得できるもので深めたら面白いことだろうと思います。しかし、3つ目は特に興味深いことを示しています。

 

銀魂が代表作である空知先生が作中で述べているように、「人生は重要な選択肢の連続」であります。その中で、僕らはしばしば選択を迷ってしまいます。高校卒業後は進学か就職か。家を継ぐか上京して夢を追うか。といった具合に。

なぜ僕らは「迷う」のか。それは天秤にかけている選択肢の「価値が同じ」だからです。どの選択肢も同じように大切であり、後悔したくない選択肢を選びたいと思うからです。

 

しかし、価値曲線から見て取れるように同じ価値なら手に入れたときの得と、逃がしたときの損では損の方が大きい。ということは、「迷っている選択肢はどれを選んでも、選んだ方の喜びの度合いよりも選ばなかった方の後悔の度合いの方が大きい」と言えます。それはすなわち「人間は後悔する生き物である」という結論に達します。

 

これはいつも後悔を恐れて生きてきた僕には画期的な考えでした。コンビニでおにぎり一つ選ぶ時でも、一番後悔しない具は何かを長時間かけて悩むような人です。

そんな僕ですが「後悔はするもんなんだ」と思うとすごく楽です。

 

後悔しない人生なんて不可能です。だったら「あちゃーこっちを選ぶとこうなっちゃったかー」くらいに後悔を楽しむことができるようになれば、それはそれで後悔しない生き方と同じようなのではないかと思います。

後悔を怖れすぎるのは気が滅入るだけ。時には吹っ切ることも大事と言う事ですね。

 

とは言っても後悔を怖れないなんてなかなかできることではないです。僕も後悔にはびくびくしています。でも、少なくとも「後悔は悪い結果ではない」と思うことは重要であると思いますね。

 

後悔の数は前に進んだ数。

後悔しない人生のために、どんどん後悔していけたらいいと思います。

 

参考

http://www.caa.go.jp/seikatsu/keizaijikken/nousan3-2.pdf

・「マンガで分かる心療内科」原作ゆうきゆう  作画ソウ 少年画報社