Knock our Heart -nockのひねくれブログ-

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「交絡因子」を見抜ける目を持とう

「お酒を飲む人は肺がんになりやすい」。これはお酒が肺がんのリスクを高めるという意味に捉えられます。しかし、本当のところはお酒が肺がんのリスクを直接高めるわけではなくて、お酒を飲む人には煙草を吸う人が多い、それゆえに肺がんになる人が多いという構造を取っています。すなわち肺がんになる人が多い直接的な原因はお酒ではなくて煙草にあります。

例の煙草のような、考えられている原因と結論に相互に関連する外部の第三因子のことを「交絡因子」と言います。Bとなる原因がAであることを考えるときに、Bとなる原因の一つにCがありなおかつAがCに影響を及ぼすとき、Aがない状態とある状態でBとなる確率の純粋な比較はできないということです。このときのCが交絡因子です。

「風が吹けばおけ屋が儲かる」を思い出してもらえば分かりやすいですかね。因果関係でつながった最初の原因と結果を述べたこの諺における辿って行った因果関係が交絡因子です。

 

この交絡因子は実に面白いと思います。

 

「〇〇になるのは◆◆が原因だ」、「◆◆すると〇〇になる」と自分で納得してきたことが実は原因はほかにある、なんてことはざらにあります。よく考えたらわかるでしょうと思うようなことでも、間違った原因に縛られ迷信を信じてしまうことは滑稽ですが考えられます。

ある人が「通学を徒歩から自転車にしたら、夜ぐっすり眠れるようになったんだよ。だから自転車は睡眠に効果があるんだ」と言いました。なるほど、と一瞬思うけれどよく考えてみたら「だって自転車通学なら通学に時間がかからない分寝れるだろう。だから前よりぐっすり眠れるのは当たり前と言える」と思うはずです。そんなことにも気が付かないなんて馬鹿だなあと思うかもしれません。

しかしこれと似たような構造になっている効果を、その文だけを見て真に受けてしまう消費者がいます。

ビタミンD骨粗鬆症予防に効果がある」と言われます。この言葉を真に受けて「ビタミンDを取れば骨粗鬆症は防げる!」といってビタミンDを含む食品ばかり食べたりします。しかしビタミンD骨粗鬆症予防に効果的なのは、ビタミンDがカルシウムの吸収を促進するからです、言うまでもなくカルシウムは骨の主成分ですのでカルシウムを吸収すれば骨の破壊を防ぐことができることも頷けます。つまり、いくらビタミンDを摂取しようと、カルシウムを摂取しなければ骨粗鬆症に簡単になってしまいます。

しかし、この事実に気が付いていない消費者は多いと思います。目の前の原因と結果に対して、それをつなげる「理由」を理解していないため、こういう事態に陥ります。

 

この世の中は様々な宣伝文句で溢れています。やれ何々が体にいいとか、何々が効果があるとか、企業も必死なのであの手この手でいい点をアピールしてきます。

その中で我々消費者が自分の利益のために大事にすべきなのが「根拠を理解すること」です。なぜそういえるのか、なぜ効果があるのか。その因果関係をしっかり把握してこそ自分のためになるという確信が持てるのです。そうでないとうさんくさい悪徳商売に引っかかることになってしまいます。しかし騙しているわけではないので、誰も責められません。ただ自分で転んだだけです。

 

原因と結果には必ずそれらをつながる「理由」があります。そこには様々な因果関係、すなわち「交絡因子」があります。これを見落とすと宣伝した相手の思うつぼです。自分自身で交絡因子を理解することで、自分の利益が保証されます。目の前の謳い文句に惑わされず、自分で考える目と頭を持つことが、多様なサービスがあふれるこのご時世では大切だと思います。