Knock our Heart -nockのひねくれブログ-

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「ウサギとカメ」の話から「諦めなければ勝てる」なんて言えるわけがない

「ウサギとカメ」という童話があります。

ウサギとカメが競走をして、ウサギが休んでいる間にカメがちゃっかりゴールしちゃうあのお話です。

 

あのお話から「諦めなければカメのように弱くたって勝てるんだよ」なんて大人たちから教えられてきましたが、それがずっと腑に落ちないまま過ごしてきました。

「勝てたのはウサギがサボってたからでしょ?」と思って生きてきました。

 

確かにカメは諦めなかったから勝てました。ただしそれは、ウサギが休んでいたからという条件付きです。

もしウサギが休まなかったとしたら、カメが勝てる可能性なんて万に一つもなかったことは明白です。

あくまでカメが勝ったのは「カメが諦めなかったから」ではなくて「ウサギが休んだから」なんです。勝利を決める要因はウサギがほぼ100%を占めます。

それでいてそこから得られる教訓が「カメのように諦めなければ勝てる」なんてばかばかしいとずっと思っていました。

 

力の差が歴然とした者同士の戦いは100%強者により勝敗はコントロールされると思います。プロ野球選手が野球を始めて1週間の子どもとホームラン対決をすれば、どう考えてもプロの方が勝ちます。子どもがどうあがこうが、勝敗は変わりません。変わるとしたらプロの方が空気を読むとかしたときです。子どもの方ではなんにもできません。

 

それはどう考えても明らかなことなのに、大人たちはどうも力が均衡した者同士の対決と混合させて、どのような場合に対しても「諦めなければカメのように勝てるんだ」と言い張るように思います。

均衡している者同士なら勝てるチャンスはありますよ。でも、どう考えても勝てない相手との対決は往々にしてありますが、そんなときは自分が諦めないことではなく相手を失墜させることでしか勝てません。

それはもう認めなければならない。

 

力の差が歴然なのに諦めないで立ち向かうことは、勝つ確率が0%から0.0000001%に上がったようなものです。それを「そんなもの、ないのとほとんど変わらんやん」と思うか、「0.0000001%でも増えたのは大きいよ!」と思うかは、人や場合によってもちろん違いますが僕は大抵は前者の方を思い浮かべると思います。

 

勝てない相手は勝てない。これはどうしようもないことです。万年初戦敗退の学校が甲子園優勝チームに勝てるはずなんて殆どないんです。もしそれで勝てたら実力じゃなくて単なるラッキーです。それを「俺達だってやればできるんだ」と見間違うのはそれこそ弱者の幻覚です。

 

ウサギとカメから得られる教訓は弱者に対してじゃなくむしろ強者に対してのものだと思います。

「エリートのお前らでもうだうだしているとあっという間に抜かれるぞ。だからシャキッとして精進邁進しなさい。」ずばりこれでしょう。

負けたくないなら常に前を走れ。そういう強者に対する意識改革の教育論が目に見えます。

 

努力する天才は最強です。凡人はただの才能だけの天才には勝てても努力までする天才には到底敵いません。

諦めなければカメだってウサギに勝てるなんて、世の中はそんなに甘っちょろいものじゃありません。